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アイテム
放射能探査法の地球化学的調査への応用 -岩盤の風化度調査,広域地盤の元素濃度マッピングを例として-
https://doi.org/10.24514/0002000074
https://doi.org/10.24514/0002000074c2a7046c-3697-4cac-a75b-fb268f3a56d5
名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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TRNIREJ203_101-110.pdf (341 KB)
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© 国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構
National Agriculture and Food Research Organization, Japan |
Item type | 紀要論文 / Departmental Bulletin Paper_03(1) | |||||||||||
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公開日 | 2024-03-14 | |||||||||||
タイトル | ||||||||||||
タイトル | 放射能探査法の地球化学的調査への応用 -岩盤の風化度調査,広域地盤の元素濃度マッピングを例として- | |||||||||||
言語 | ja | |||||||||||
タイトル | ||||||||||||
タイトル | Application of radioactive prospecting method to geochemical survey | |||||||||||
言語 | en | |||||||||||
言語 | ||||||||||||
言語 | jpn | |||||||||||
資源タイプ | ||||||||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_6501 | |||||||||||
資源タイプ | departmental bulletin paper | |||||||||||
ID登録 | ||||||||||||
ID登録 | 10.24514/0002000074 | |||||||||||
ID登録タイプ | JaLC | |||||||||||
著者 |
石田, 聡
× 石田, 聡× 土原, 健雄× 今泉, 眞之
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抄録 | ||||||||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||||||||
内容記述 | To measure the degree of weathering in the bedrock more quickly and economically, the radioactive prospecting and the investigation of the degree of weathering in the bedrock were carried out in the southern Kitakami massif region where granitic rocks are distributed in Iwate Prefecture. This result showed that 40K/208Tl gamma ray counting ratio and 214Bi/208Tl gamma ray counting rate had a positive correlation with the degree of weathering of granite. This result also showed that the radioactive prospecting was effective to the investigation of the degree of weathering. Subsequently, the technology that investigates the chemistry of the ground in the large area by nondestructive, carborne radioactive prospecting method has been developed. The radioactive prospecting was carried out using this method in the North-Kanto region. 214Bi gamma ray counting rate were compared with U concentration which had been investigated in the past. This result showed that 214Bi gamma ray counting ratio had a positive correlation with U concentration. This result also showed that the radioactive prospecting was effective in mapping concentration of the element of U. | |||||||||||
言語 | en | |||||||||||
抄録 | ||||||||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||||||||
内容記述 | 岩盤の風化度の調査は,構造物の基礎設計等に必要なものであるが,従来の手法は地質踏査と鉱物分析による変質分帯によっており,時間と経費を要する。また構造物の基礎地盤の風化度判定には,岩級区分が用いられるが,目視等実施者の熟練度に依存する判定要素を含む。森ら(2001)は従来区分法が確立されていなかったD級岩盤について,土壌硬度計や簡易支持力測定器による分類法を提唱したが,すべての岩盤に適用できる物理試験法は提案されていない。岩盤を構成する元素のうちあるものは,風化の進行によって溶脱され,徐々に失われる。このことは岩盤中のある種の元素量を測定することによって,その風化度が判定できる可能性を示している。 一方,森林など人為的な影響が少ない地域の浅層地下水の水質は,帯水層の構成元素と風化による化学反応と関係している。都市部,農村など人間の経済活動が行われている地域では,人為的要因によって環境中に付加された元素(重金属,肥料等)も地下水水質に影響を及ぼす。近年,農村地域では,経済活動(リゾート建設や工場誘致などの土地利用変化,過剰施肥,農薬散布)によって,地下水中に多種多様な元素や化合物が付加されつつある。地下水汚染を早期に発見し,未然に防ぐためには,汚染されていない状態の農村において,早急に汚染されていない状態のバックグラウンドとなる地盤の化学組成を把握し,その変化を監視する必要がある。地盤の化学組成を測定する場合,従来のサンプリング,化学分析という手法は時間と経費を要するため,簡便な調査法の確立が望まれている。 これらはいずれも地盤の化学性(元素濃度)を簡便に測定出来れば解決される問題であり,本研究ではその手法として放射能探査に着目した。放射能探査は測定できる元素が放射性元素に限られるが,測定対象から放出される放射線の強度を直接測定するため,非破壊かつ非接触で測定を行うことができる。特定のエネルギーの放射線の強度は,測定対象に含まれるそのエネルギーの放射線を放出する元素の濃度に比例するので,測定値は元素濃度の指標となる。 放射能探査法とは,放射能を利用した地質調査法の総称であり,大きくは以下のように分類される。 ①人工的な線源から放出される放射線の散乱・吸収などを測定する方法 利用例:中性子水分計,γ線密度計 ②地層や土壌に含まれる天然放射性同位元素から放出される自然の放射線を検出する方法(自然放射能探査法) 利用例:ウラン鉱床等の核燃料物質,断層,温泉,地下水,地すべりなどの調査 ①は主に検層用として用いられ,地表あるいはボーリング孔にプローブを設置して,非破壊で地盤の特性を調査するものであり(二平・今泉,1998),各種の機器が市販されており,技術的にほぼ確立されている。本稿では②の自然放射能探査法のうち,γ線を測定するγ線スペクロトメトリを用いた探査法を放射能探査法と呼ぶ。放射能探査法は,ウラン鉱山の鉱脈付近で地中空気の放射能が著しく増大することが1905年にドイツで発見され,探査に応用されたのがその最初の事例である(初田,1957)。それ以後,放射性鉱物の探鉱は盛んに行われ,1928年のGM管の発明,光電子増倍管を用いたシンチレーションカウンタの開発等,測定技術の進歩と相まって,放射能探査法はウラン鉱の発見に大きな成果を挙げた。また1920年代に土壌の放射能が断層を横切る付近で増大することが発見され(Ambronn, 1928),放射能探査は放射性鉱物の探査以外にも役立つことが明らかになり,以後断層の探査にも用いられる様になった(初田,1953)。 日本でも農業土木試験場(現在の農業工学研究所)において1956年から地下水開発のため埋没断層調査を目的として,放射能探査法が開発された。落合(1965)は土中ガスや,地表面や地中孔における放射能を測定する方法で断層検出を試みた後,空間γ線を計測するシンチレーションカウンタを自動車に取り付けて,連続測定できる装置を開発した。木村(1987)はγ線のエネルギー弁別を行い,指標核種をラドン(222Rn)の娘核種である214Biに設定し,妨害因子を排除する方法をシステム化した。その後,農業工学研究所ではシステムの改良や土中ガスのラドン濃度調査法の導入を図り,様々なタイプの断層で放射能探査による調査を重ねてきた(二平・今泉,1998)。 一方で探鉱および断層調査以外にも放射能探査法は応用されている。Peck and Bissell(1971)は,水が土壌からのγ線を減衰させることを利用して,空中放射能探査によって地表の積雪水当量を測定した。Vincent(1972)は,空中放射能探査法を地質調査に応用し,全γ線輻射量から火成岩類の分布状況を推定した。今泉ら(1992)は地すべり調査に放射能探査法を応用し,地すべり地内の土中ガスのラドン濃度が極めて偏在していることを明らかにした。また近年では海洋底の調査にも放射能探査法が応用されている(Jones, 2001)。本研究では岩盤の風化度判定,広域的な元素濃度マッピングを放射能探査で迅速かつ経済的に行うために,岩手県北上山地南部の花崗岩分布地域において放射能探査および風化度調査を行い,岩盤から放出されるγ線強度と,風化度を表す他の指標との関係を明らかにした。また,福島県阿武隈山地南部の花崗岩分布地域において放射能探査を行い,岩盤から放出されるγ線強度と,既往の地球化学図を比較し,本研究で用いた手法の有効性について検討した。本研究は,γ線スペクトロメトリを用いた放射能探査法の新たな地球化学的応用手法を示すものである。 本論文の一部は東北農政局よりの受託研究の一部である。研究を進めるにあたっては東北農政局農村計画部資源課の備前地質官(当時),椎名地質官(当時),阿部地質官ら,関係各位のご指導,ご協力を頂いた。ここに,感謝の意を表する。 |
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言語 | ja | |||||||||||
書誌情報 |
ja : 農業工学研究所技報 en : Technical report of the National Research Institute of Agricultural Engineering 巻 203, p. 101-110, 発行日 2005-03-31 |
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出版者 | ||||||||||||
出版者 | 独立行政法人農業工学研究所 | |||||||||||
言語 | ja | |||||||||||
出版者 | ||||||||||||
出版者 | NATIONAL INSTITUTE FOR RURAL ENGINEERING INDEPENDENT ADMINISTRATIVE INSTITUTION | |||||||||||
言語 | en | |||||||||||
ISSN | ||||||||||||
収録物識別子タイプ | ISSN | |||||||||||
収録物識別子 | 0915-3314 |