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アイテム
排水トンネル施工による地すべり地の地下水の挙動 ―地山の含水比と地下水中のラドン濃度を指標として―
https://doi.org/10.24514/0002000058
https://doi.org/10.24514/0002000058b7a73a42-b2f8-4482-b576-2defecb04956
名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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TRNIREJ202_91-100.pdf (218 KB)
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© 国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構
National Agriculture and Food Research Organization, Japan |
Item type | 紀要論文 / Departmental Bulletin Paper_03(1) | |||||
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公開日 | 2024-03-01 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | 排水トンネル施工による地すべり地の地下水の挙動 ―地山の含水比と地下水中のラドン濃度を指標として― | |||||
言語 | ja | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | Behaviors of groundwater flow caused by construction of drain tunnel in landslide area - Using the water content of the bedrock and the radon concentration in the groundwater as an indicator - | |||||
言語 | en | |||||
言語 | ||||||
言語 | jpn | |||||
資源タイプ | ||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_6501 | |||||
資源タイプ | departmental bulletin paper | |||||
ID登録 | ||||||
ID登録 | 10.24514/0002000058 | |||||
ID登録タイプ | JaLC | |||||
著者 |
石田, 聡
× 石田, 聡× 土原, 健雄× 今泉, 眞之 |
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抄録 | ||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||
内容記述 | Monitoring of water content using neutron moisture logging was carried out for 18 months after the construction of drain tunnel with 2.5m (diameter) × 500m (length) × 50m(depth) in order to develop the evaluation method for efficiency of draining superfluous water around active landslide slip plane in landslide area in Niigata Prefecture. 222Rn concentration and tritium concentration in groundwater as additional evaluation method was also monitored for five years. Consequently, the location of landslide slip plane was determined by distribution and fluctuation of water content of mudstone. About 2 % of average water content of mudstone around the tunnel decreased, that is, 20% of the pore water pressure in the landslide slip plane decreased for the first four months. Afterwards, it decreased gradually. It was assumed that the groundwater around the tunnel was recharged from rain before 10 yarer on the basis of the tritium and 222Rn concentration. Therefore, these techniques are effective as the technique for investigating the effect of the drain tunnel. | |||||
言語 | en | |||||
抄録 | ||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||
内容記述 | 地すべり防止対策として,我が国では一般的に抑止工および抑制工が現場に応じて組み合わされて実施されている。一方で,近年国営事業等で対象となっている大規模地すべりに対しては,想定しているすべり面深度が深い場合抑止工の施工が難しいため,抑制工,特に地下水排除工中心の対策が行われている。地下水排除工の施工による地すべり地内の地下水流動状況の変化は,観測井の地下水位変化によって推定されることが一般的であるが,地すべり地においては地すべり地塊が過去の運動により攪乱され透水性が著しく不均質に分布している場合があること(吉松1992),すべり面の深度が深い場合岩盤内の亀裂の発達状況等に地下水流動が規制されることなどから,観測井での地下水位観測によってすべり面及びその周辺の地下水流動状況を正確に観測することは困難であり,地下水位観測以外の手法ですべり面周辺の地下水流動を把握する手法が求められている。竹内ら(1993)は地下水排除工の効果判定手法として,電気探査,地温測定調査(1m深地温),排水量測定の実施例と効果を示している。このうち電気探査,地温測定調査は主に浅層地下水を調査対象としており,排水トンネルが施工される深度50m以深における地下水流動状況の変化を捉えることは難しい。また,排水量測定についても,単純に排水量の大小が抑制効果に比例するとは言えない(竹内ら1993)。 一方仲野ら(1993)は新潟県東頸城丘陵の椎谷・寺泊層泥岩の地すべり地を対象として,地すべり粘土の完全軟化状態における有効応力と含水比の関係が採取地点によらず一定の直線関係にあることを明らかにして,その関係(完全軟化状態含水比曲線)と,泡式ボーリング・3重管式サンプリングによって得られた試料の自然含水比測定によって得られた含水比プロファイルの結果との比較から,すべり面の位置およびそこにかかる過剰間隙水圧やパイピングなどによる空洞的なみずみちの存在を推定した。また北陸農政局(1996)は,同じ第三紀層地すべり地の泥岩を対象として,自然含水比を測定することによりすべり面位置及び間隙水圧が推定できることを示した。このことは,すべり面の含水比変化を測定することによりすべり面にかかる間隙水圧の変化を捉えられる可能性を示唆している。一方,今泉(1996)は,地すべり地内のボーリング孔内において中性子水分検層を行い,孔内の鉛直含水比分布と,仲野ら(1992)が示した完全軟化含水比曲線を比較し,すべり面を特定出来ることを示した。この方法を用いれば同一箇所の含水状況の連続測定が可能であり(測定値を変化させる要因としては測定部周辺の水分量変化のみと考えられる),中性子水分計による水分量のモニタリングを行うことによりすべり面付近の含水比変化,すなわち間隙水圧の変化をとらえることも可能と考えられる。 また,排水トンネル等の大規模地下水排除工が施工された場合,施工およびその後の水抜き効果で地すべり地内の地下水流動状況が変化し,地下水の水質にその影響が現れる場合がある。浅層の地下水の場合,ボーリング施工直後には存在していなかった塩水が,掘削後徐々に地下深部から上昇する事例が報告されている(今泉1996)。また,ラドン濃度の変化によって地すべり地の地下水流動状況を推定している事例も報告されている(今泉ら1993)。 ラドン(222Rn)は岩石や土粒子に極微量に含まれているラジウム(226Ra)の崩壊によって発生する半減期約3.8日の放射性の気体である。地下水のラドン濃度は帯水層のラジウムの含有量,粒子サイズ,風化度,間隙率,地下水の流速等によって規定される,帯水層からのラドン放出量によって放射平衡濃度が決まり,地層ごとに固有の濃度(泥岩:100~1~花崗岩:102~3Bq/lのオーダー)を持つ(放射平衡濃度は地質条件が同じ場合,単位体積あたりの地下水と岩盤との接触面積が大きい程増加する)。これに対して地表水では供給が絶たれ濃度が非常に小さくなる(10-2~0Bq/lのオーダー)。地表から浸透した水のラドンの濃度は徐々に上昇し,数週間で放射平衡に達して帯水層固有の値となるので,地表水が比較的短時間で地下水面に到達する場合はラドン濃度が浸透水のトレーサーとなりうる(濱田ら1997)。逆にかん養から排水まで数十年以上の非常にゆっくりとした地下水流動が起こっている場合は,半減期が約12.3年と比較的長いトリチウムがその指標となり,地下水のトリチウム濃度を測定してかん養期間を推定することが出来る(Andersenら1974,今泉ら2000など)。 本論文では北陸農政局によって施工された地すべり排水トンネルにおいて,中性子水分計を用いたトンネル周辺岩盤の含水比測定および地下水のラドン濃度の測定等を行い,試験結果よりトンネル施工後の地下水流動状況の変化について考察するとともに,それぞれの手法の有効性について検討した。 本論文は北陸農政局上越農地保全事業所よりの依頼研究および受託研究の一部である。また,研究を進めるにあたっては関係各位のご指導,ご協力を頂いた。ここに,感謝の意を表する。 |
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言語 | ja | |||||
書誌情報 |
ja : 農業工学研究所技報 en : Technical report of the National Research Institute of Agricultural Engineering 巻 202, p. 91-100, 発行日 2004-03-31 |
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出版者 | ||||||
出版者 | 独立行政法人農業工学研究所 | |||||
言語 | ja | |||||
出版者 | ||||||
出版者 | NATIONAL INSTITUTE FOR RURAL ENGINEERING INDEPENDENT ADMINISTRATIVE INSTITUTION | |||||
言語 | en | |||||
ISSN | ||||||
収録物識別子タイプ | PISSN | |||||
収録物識別子 | 0915-3314 |